風の名前
妹尾ゆふ子 ファンタジーの森(プランニングハウス)
世界の果てにうまれる竜。
その誕生を阻止しようとする大地の巫女。竜を支配し、全ての妖魔の王たらんとする若き妖魔使い。
相対する二人が世界の果てに見たものとは。
名が力を持つ世界。ひとつの名を受け継ぐ巫女と、未来の織り物を織る娘。娘の頭部をもつ妖魔。
きいただけで、ぞくぞくするイマジネーションいっぱいの世界。
妹尾さんの作品は、シュチェーションがたまらないものがあります。そして、物語が一つに収束する瞬間が本当に心地よい。ここがこう繋がって、そうなるのか!という驚きが本当に魔法。
この話は、彼女のデビュー作、今は亡き大陸書房から出された『魔法の庭1』の前話にあたる話。
当時から、そこで触れられている、妖魔の王の過去は気になっていたので、六年以上立って、やっとシリエンの話が読めてうれしかったです。
あまり、作品が流通しないファンタジー作家、妹尾ゆふ子のまだ手に入る作品。私はこの人の話大好きなのですが、イマイチ知名度が低い気がします。妹尾さんの話は、面白いのに、何故か廃刊や絶版になりやすいので。それに、手にいれやすい、文庫での仕事が最近少なかったので、仕方ないのかもしれないけど。
このシリエンのシリーズは、同じ出版社から『魔法の庭』全3巻が出ています。シリエンのその後の話。ただ、上に述べたように妹尾さんの本は、絶版になりやすいのです…。この出版社も倒産しました。今年の春だったので、まだ、本屋でも手に入ると思います。お早めに。
ちなみに、妹尾さんの最新作は、「チェンジリング」角川ハルキ文庫となっております。
詳しい情報は作家さん本人のホームページがあるのでそちらに言って見て下さい。私の好きな、『夢語りの詩』シリーズから、『仮面祭』がただでダウンロードできちゃいます。アゼルやエスカもあります。
(2001年3月追加)出版社のプランニングハウスがなくなりどうやら現在、「魔法の庭」も、「風の名前」も入手難になりつつある模様です。
妹尾ゆふ子先生のホームページはこちらから
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