クローディアの秘密


E・L・カニグズバーグ/岩波少年文庫

「うちにかえりたくない?」
ジェイミーがききました。
「それほどでもないわ」
クローディアは正直にいいました。
(中略)
「ホームシックってのは指をしゃぶるようなもんなんだね。
じぶんに自信がもてないと出てくるんだ。」

(本文より)


 計画をたてるのが得意できちんとしたことが好きなクローディア。カッとなって、リュック一つで飛び出すむかし式の家出なんて『あたしにはぜったいにできっこないわ』という彼女が「計画をたてて」家出先に選んだのはメトロポリタン美術館でした。
 そこで見つけたミケランジェロ作とされる天使の像に惹き付けられたクローディアは、弟のジェイミーと二人、その謎をとこうとします。


 クローディアが家出した理由。彼女の口からは上手く語られることの無い、しかしこの物語の語り手である老婦人が推量する「毎週毎週が同じだということがいやになったのです」という理由は、「普通に」に暮らす多くの子供が感じたことがあるんじゃないかと思う。同じことをくり返し、
 だからこそクローディアは天使の像の謎をとくまでは帰れないのだ。自分の価値を認めること。自分がなにをできるのかを、カニグズバークの作品に出てくる子供達は探している。
 子供がそれを見つけるのはとても、難しい。世界は大人の価値観で動いているし、まだ不確かな心は判断基準を他人に求めがちだ。でも、クローディアはそれを探し、見つけた。彼女の幸運と勇気は子供だった私を勇気づけてくれた。それが、ほんとは難しいけれど出来ないことではないのだと語りかけてくれた。

 彼女を助ける周りの大人たちも、とても素敵だ。もう私は、クローディアのようにはできないけれど、せめて、フランクワイラーさんのような大人でありたいと思う。

<2003年4月4日>



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