何かが道をやってくる
レイ・ブラッドベリ 大久保康雄 訳


 それは、子供たちにとってとりわけたのしい月、十月のことであった。
 と言っても、ほかの月がすべてたのしくないという意味ではない。
 しかし、俗にいうように、よい月と悪い月があることはまちがいない。
 (本分より)


 上の引用に続くプロローグだけでもう夢中。ブラッドベリが書く子供についての描写は読んでるだけでわくわくします。子供だけじゃなく、彼が描く世界のどこか必ず共感できるディティールの数々はすごい。特に夜の描写はすごく空気が澄んでいてちょうど今の季節に読みたくなります。
 ハロウィーンにやってくるカーニバル。回転木馬と魔女、小人、骸骨…そういうものにわくわくする人にお勧め。そういうのに興味ない人にはさっぱりなんだろうなぁ。あ、萩尾望都が好きな人にもお勧めです。
 『たんぽぽのお酒』や『火星年代記』よりは比較的読みやすいです。どんどんと進む文章で、事件も分かりやすいから。
 剣は出てこないけど、魔法はいっぱい出てくるファンタジー。私がいう魔法っていうのはこういうものに近いと思う。妄想とか夢のような、物質的じゃなく信じることによって影響する力。ラストの主人公の父親が使う魔法(といっていいのかな)はまさにそれだ。簡単に言っちゃえばすごくうさん臭い気がするのだけど(笑)あの描写に騙されちゃいます。



<2001年 10月13日>



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