ピュアミント’88
図子慧 コバルト文庫
コバルト文庫です。タイトルが恥ずかしいです。ちなみに、このあと続編で、『狼なんかこわくない』『青りんご・毒りんご』があります。
今は、耽美系とハードカバーで仕事をしている作者の青春小説。変な味わいがある話。
この人の書く登場人物達は、私には想像も着かない感覚で生きてる。けっこう酷い目にあってみたり、酷いことをしてみたりしながらも、あっけらかんと、こだわらない。
言ってしまえばどこかアホっぽいのだ。でも、彼等が置かれている状況は、離婚未満家庭であったり、両親を亡くしていたり、決して明るいだけじゃない。それにコンプレックスを感じながらも、健気に、アホに生きてる彼等が何とも楽しいジュブナイル小説だ。
この人は他にも真面目なSFとか書いていてそっちが多分力をいれてる方だと思うんだけど。そっちも面白いんだけど。このどこかとぼけた、下ネタ有りなノリは他の人にはなかなかなくて面白かったのでした。
他に、雑誌コバルトでの増刊か何かでのってた『愛ある生活』(手元に資料ないので、多少違うかも)も同じようなノリで面白かった。最近はこういうものは書かれてないみたいで、残念。
2000年11月25日
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